中小製造業ではじめて新規の営業をするときに押さえておくべきポイント
- 担当:今井志津
- 投稿日:2020年02月01日
営業活動をおろそかにしてしまう傾向があると言われているのも事実。これは裏をかえすと、製造業で営業管理に力を入れれば、他社よりも優位に立つことができるということもできます。 そこで、中小製造業において新規の営業をする際に、押さえておくべきポイントについて考えてみたいと思います。
1.売上をあげるために意識するべき指標
中小企業で、はじめて営業をすることになりました。 さて、あなたは何から始めますか。 営業にとっての最大の命題は「売上をあげる」ことです。売上について考える時に、役立つひとつの指標があります
分かりやすくご説明しますね。 ■まず「売上」は、 Ⅰ 顧客数(お客様の人数) Ⅱ 客単価(お客様が一度に支払う一人あたりの平均金額) をかけ算( Ⅰ × Ⅱ )して計算します。 ■次に「Ⅰ顧客数」は、 ①提案人数(見込み客) ②成約率(商談がまとまる割合) をかけ算(① × ②)して計算します。 ■具体例で考えてみると、 ・( ① ):100人に提案して、 ・( Ⅰ ):1件決まる(顧客数1人)場合、 ・( ② ):成約率は1%(1件÷100人×100)になります。指標をうまく使いこなしてみましょう
それでは、具体的な数値をあげてどのように使えばよいのか確認していきましょう。 今回は特に提案人数と成約率についてみていきたいとおもいます。 【事例】A社のビジネスモデル 『A社社長は毎月新規で500万円の売上を1,000万円にしたい!』ときに、 ①または②のどちらにアプローチすべきかをシミュレーションしてみましょう。 ・(①):見込み客1,000人➡2,000人に引きあげます ・(★):(①)見込み客2,000人×(②)成約率0.5%=売上1,000万円達成! ・(①):見込み客1,000人➡1,250人に引きあげます ・(★):(①)見込み客1,250人×(②)成約率0.8%=売上1,000万円達成! ただ単に「売上目標に向かってがんばるぞ!」では、何をどう頑張ればよいのかわかりません。 自社にとって大切なのは(①)提案人数なのか、それとも(②)成約率なのかをみきわめます。 そしてどうアプローチをすれば売上目標が達成できるのかを考えていきましょう。2.アプローチポイントごとの対策
自社のアプローチポイントがわかったところで、具体的に何をすべきなのか考えてみます。(①)提案人数を増やすための対策
まずは、「そもそも(①)提案人数が足りない!」場合の対策をいくつかあげてみます。 自社のお客様にあっている方法をみつけてだして、(①)提案人数の件数を増やしていきましょう。(②)成約率をあげるための対策
次に、「提案人数は足りているので、(②)成約率をもっとあげたい!」という場合の対策をいくつかあげてみます。 自社には何が足りないのか?という視点で、一度考えてみましょう。(①)提案人数か(②)成約率かわからないとき
「新しい事業をはじめたばかり」や「数値がわからない」ときなどは、次の順番がおススメです。 1)(①)提案人数を増やすこと 初期のころは「お友達の紹介」などで(②)成約率が正確にわからないことがあります。まずは提案人数を増やすことからはじめてみましょう。 2)(②)成約率を意識する 1)をふまえた上で、広告や営業、サービスなどを見直して成約率を引きあげていくことが大切です。 3)お金を投下する 1)2)をしっかりとおこなった後で、広告や営業人数をふやすことにお金を投下し、より一層(①)提案人数をふやしていくことで売上をあげていきましょう。3.営業部のやりとりに活用
この指標は実際に営業部でのやりとりでも活用することができます。 例えば、社長や上司から「なぜ売上が達成できないのか?」と言われたときに、論理的な提案をすることができます。 このように考えると、(①)提案人数に問題があるのに、「パンフレットを一新したい」という提案はロジカルでないことがよくわかりますね。4.まとめ
実はこの売上の指標は、営業以外でも使うことができます。 例えば、 「社員への指示が4回に1回しか伝わらない」と悩んでいる社長さん。 伝達率(②)が25%(1回÷4回)ですね。 解決策としては、・「社長が4回言う」 ➡4回(①)×25%(②)=1回伝わる
・「社長のメッセージ力(伝達率)を50%にして2回言う」 ➡2回(①)×50%(②)=1回伝わる
このように会社でのコミュニケーションにも活用できてしまうのです。 いかがでしたか。 ぜひ(①)提案人数と(②)成約率という考え方を身につけて、集客につなげ売上をあげていきましょう。]]>