近隣にライバルサロンがオープンしたときに美容室がやるべきこと
美容所数は251,140施設(厚生労働省「衛生行政報告例の概況」より)、2019年12月のコンビニエンスストアは55,620店(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会「統計調査」より)で、美容室はコンビニエンスストアの約4.5倍にもなるようです。
2019年の「美容業」倒産数は、1989年以降の30年間で最も多かったです。事業を停止した休廃業・解散も増えています。特に小・零細規模の倒産が多く、今後も増えていく可能性が高いようです。(東京商工リサーチ「理容業・美容業倒産動向」調査より)
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美容業界の動向としては、比較的開業がしやすいため競合が多くなり、低価格の競争になりやすいです。また、人口の減少やお客さまの高齢化などによって、お客さまの減少が経営上の問題になっています。
新しい美容室がどんどん増えるなかで、開業数年で閉店していく美容室も多く見かけます。
そこで、自社サロンの近くにライバルサロンがオープンしたときにやるべきことを考えてみましょう。
1. 競合について調べる
「〇月〇日hair salon△△ NEW OPEN!」
自社サロンの周辺にライバルサロンがオープンすることをチラシやSNSなどで知ったとき、気になりますよね?
ライバル(競合)についてある程度調べておくことで、自社のビジネスを見直すきっかけになり、ライバルとの価格競争を避けることができます。
ライバルサロンについて調べる
まずは、オープンしたライバルサロンについて調べてみます。できれば他にも2~3店調べるとより効果的です。
具体的には、
①商品
どんなメニューがあり、価格はいくらか など
②サービス
一人ひとりにあうヘアスタイルを提案してくれる、待ち時間にお茶をだしてくれる など
③集客方法
チラシを配っている、SNSを使ってお客さまとやりとりしている など
④店舗
駐車場が多い、駅から近い など
その他にもいろいろな視点がありますが、自社にはない・自社よりも上をいっている部分に注目してみましょう。
これらの情報はホームページなどから入手できるものもあれば、実際に行ってみないと分からないこともあります。長い期間、断続的におこなうことで、自社の課題をみつけることができるかもしれません。
調べた情報は、表にまとめてみるとわかりやすいとおもいます。
2.自社のお客さまを明確にきめる
自社サロンのお客さま=ターゲットは、細かくきめるほどよいといわれます。
ターゲットを細かくきめるメリット
①お客様のさまざまなニーズ(求めていること)に、きめ細かくこたえることができます
②自社サロンの少ない資源(ヒト・モノ・カネなど)を有効に活用できます
③ライバル店との競争をさけることができます
ターゲットのきめ方
①性別、年齢、家族構成、収入などをきめる
人口統計的(デモグラフィック)な部分をきめます。
例えば、
・40代のフルタイムではたらく女性向け
・30代の家族向け など
②地域、人口密度などをきめる
地理的(ジオグラフィック)な部分をきめます。
例えば、
・周辺の新しいマンションに住む人
・近所のショッピングモールに買い物にくる人 など
③お客様の好み、考え方、ライフスタイルなどをきめる
心理的(サイコグラフィック)な部分をきめます。
例えば、
・銀行員なので白髪は染めたいがヘアトーンは7番にしたい
・ヘアカラーはしたいが肌にやさしい素材のカラー剤がいい など
以上を組み合わせると、
例えば、自社サロンのターゲットは、
『40代のフルタイムではたらく女性で、最近周辺のマンションに引っ越してきて、仕事上でカラーに制約があるけれどおしゃれをしたい人たち』
と決めることもできます。
実際にターゲットをきめるときは、今のサロンのお客さまと話をしながら、お客さまの髪に関する悩みなどをきいてみるのもいいとおもいます。
3.競合に負けない自社の強みを考える
競合について調べ、自社のお客さまを明確にきめたあとは、自社サロンがライバルサロンよりも優れているところ=「強み」を考えてみましょう。
中小企業の「強み」は、お金で買えるものでは大企業に負けてしまうため、お金では買えないものを考えてみてください。
具体的には、
①お客さまの希望にこたえられるヘアカットの技術力
②お客さまにあわせて対応できる接客力 など
その他にも、信頼・ブランド・こだわり・ノウハウ・知識などさまざまなものが考えられます。
お客さまから実際に言われた言葉がヒントになることも多いです。
この「強み」をお客さまに提供して、お客さまの悩みを解決し、満足してもらうことになります。
4.まとめ
ライバルサロンのオープンをきっかけに、ライバルとの競争を避けて自社サロンが生き残る方法について考えてきました。
1.競合について調べる
2.自社のお客さまを明確にきめる
3.競合に負けない自社の強みを考える
1の競合の情報をヒントにして、2のお客様に対して、3の自社の強みをつかってサービスします。そしてお客さまによろこんでもらい通い続けてもらうことで、自社サロンの収益もあがりサロンを続けていくことができるのです。
これをずっとやり続けることが、サロンが残っていくひとつのポイントではないかと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。]]>